熊本地震発生からスタートしたこのプロジェクト、レザック 柳本剛志社長の呼びかけにより被災地の避難所に少しでも快適に過ごせる空間を作るため、ダンボールベッドの作成・運搬プロジェクトが発足しました。

多数の方々、企業様のご支援を頂き2016年5月14日に50台のダンボール製カプセルベッド「ハニカムハウジング」を南阿蘇に無事届けることができましたので、その活動をご報告させていただきます。

被災地の状況にあわせてハニカムハウジングの設計見直し

 プロジェクト発足後に初めに取り掛かったのが、現状のハニカムハウジング(製造元:株式会社レザック)の大幅な設計の見直しでした。

※「ハニカムハウジング」についての詳しい情報はこちらのページをご参照ください。

ハニカムハウジングは床との設置面積が少なく、未だ余震の続く熊本には不向きであると考えた我々は、より安定し、かつ組み立てが容易になる構造を考え、試作を繰り返しながら最適なダンボールベッドの設計を行いました。

 設計にある程度目処がつき、ダンボールベッド作成の為の必要資材の支援を関係企業の方々に呼びかけたところ、多数の御支援を頂きました。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 菱屋では必要資材が集まる前に、加工の準備とハニカムハウジングの入口部分を一枚抜きするための大型の抜き型作成に取り掛かっておりました。

 全ての準備が整い、弊社で加工を開始しました。この日から約2週間、弊社のZUNDと大型プレス機はフル稼働でハニカムハウジングのパーツ作成を行いました。現地でなるべく簡単に組み立てが出来るように、打ち抜きと並行して事前に必要部分の糊付けを行いました。
 子供たちに被災地への応援メッセージを書いてもらい、無事50台のハニカムハウジングが完成しました。また最後に中が見えないように目隠しのカーテンと、中に敷くマットレスも用意しました。
 現地で迷惑をかけない様に、トイレの付いたキャンピングカーを準備し、少人数かつ効率よく現地で作業が行えるメンバーを4人選抜して、いざ熊本へ。

熊本への搬入作業

地震によって破壊された道路
 大阪を出発して、11時間程で最初の目的地である久木野中学に到着。道中は地震によって破壊された道路・家屋等がいたるところにあり、熊本地震の恐ろしさを改めて感じました。

地震と大雨によって半分になった山

倒壊した家屋
 事前に搬入の連絡をしていた、南阿蘇の久木野中学に到着し、避難所を確認したところ大量の物資が所内に置かれた状態でした。久木野中学校近辺の民家に、ハニカムハウジングとは別に用意していた、電池やライトや食料等を配っている際に住民の方に教えていただいた情報によると、「支援物資は学校・公民館等に大量に届いているが、取りに行く手段がないうえに配送を行う人もいないため各家庭単位には行き届いていないのが現実」とのことでした。
 久木野中学にハニカムハウジングをそのまま搬入しても、置きっぱなしになってしまい必要な人の元に届かないと考えた我々は、現地の災害対策担当者の方と相談し、急遽搬入先を変更。変更先の南阿蘇村長場公民館は、実際に被害者の方が避難生活をしている場所のすぐ近くでハニカムハウジングを設置する人出も十分あるとのでした。
 避難所の状況・被災者の方の心労を考え、ハニカムハウジングを今すぐ避難所に直接設置しないほうがいいと判断し、一旦50台のハニカムハウジングとベッドマット、その他の設置に必要な資材を公民館内に全て運び込みました。
 担当者の方にハニカムハウジングの組み立て方を実演し、完成品を見ていただきました。評価は非常に高く、早速ベッドを必要としている人に振り分けていきたいとのことでした。その後設置を終えて、もし追加で必要であれば連絡をいただくことをお約束をして熊本を後にしました。
熊本地震後の被災地を訪れて

株式会社 菱屋 営業部第一課 課長 高畠
 この度の熊本地震でお亡くなりになられた方々、またそのご遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます。被災地で避難所生活を余儀なくされている方々の避難所での生活環境改善に少しでも手助けができればと思い今回のプロジェクトに参加させていただきました。

自分自身が阪神大震災の被災者でもあり、地震の恐怖はまだ幼かったとはいえ、私の心に今でも焼き付いております。

熊本の現状はテレビやインターネットのニュースで確認していましたが、今回熊本県での活動をするにあたって不確定要素が多く、無事にハニカムハウジングを被災地に届けられて本当に良かったと感じています。

被災地はまだまだ撤去されていない瓦礫や倒壊家屋が多数残っており、余震も続いていて非常に危険に感じました。特に南阿蘇に向かう途中に立ち寄った益城町は道路や家屋の被害が深刻に感じました。

南阿蘇で、民家に支援物資を直接届けた時に聞いた話では、「食べ物などの心配はなくなってきた」との事でしたが、「お風呂が潰れていて3日に1度1時間かけてお風呂に入りに行っている状況で非常に辛い」との声がありました。1月が経ち少しの落ち着きは見えてきたものの、まだまだ基本的な生活部分でさえ不便さが拭えない状況です。

地震の復興には多くの労力と時間がかかりますが、より早い復興に向けた活動を行っていこうと感じさせられた今回のプロジェクトでした。

この度の熊本地震によりお亡くなりになられた方々、またそのご遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、被災地等におきまして、救援や復旧支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表しますとともに、皆様の安全と被災地の1日も早い復旧をお祈りいたします。

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